-施工実績-
BinO WAVE 33 conver

思わずスキップしたくなる!
異なる素材をごちゃ混ぜにした
おだやかな暮らしの風景。

BinO WAVE 33 conver
■建物概要
ご住所:長崎県諫早市
竣工年月:令和6年6月
延床面積:111.78㎡(33.81 坪)
敷地面積:301.41㎡(91.18 坪)
施工期間:4.0ヶ月
■ご家族構成
夫婦+お子さま2人+ワンちゃん
光の入り方や流れている音楽、ほっと安らぐ香り、さりげなく飾られた植物たち。実用的なものとそうでないもの、形あるもの、ないもの。空間というものは、さまざまなエッセンスが混ざり合って生まれています。「家にいると出かけたくなくなっちゃいますよ」とご主人がぽつり。冗談交じりにというより、それはきっと心からの言葉。その横で「うんうん」と共感してうなずく奥さまの笑顔がすべてを物語っています。

大栄ハウジングとの出会いはかれこれ10年前。自社初となるモデルハウスの見学会の開催を知らせる広告チラシをたまたま目にしたのがきっかけでした。ご夫婦が当時住んでいたのは、ご主人のお母さんたちと一緒に建てた平屋。住む人の要望や気持ちというよりは、大工さん優先で進んだ家づくりだったといいます。「自分たちの部屋も日当たりが悪くて。どこか心残りがあったのかもしれませんね」。見るだけでもとご主人を誘い、出かけた先で目にしたのはBinOの「すべてがスキップしている家」。1つの階層に高さが異なる空間を設けた間取りに衝撃を受けました。「家ってこんなにワクワクするんだ」。そのインパクトが頭の片隅からなかなか離れてくれません。
あきらめきれずにいた2人の背中を後押ししたのが奥さまの仕事に対する気持ちの変化。(結婚前はサロンに勤め、マッサージで多くのお客さまを癒やしていました。「結婚後は昼間はレストランのホールで働き、夜と仕事が休みの日にサロンを間借りして施術をしていました。ところが、コロナを機にレストランが休業を余儀なくされて。実家の一室で営業を続けたりもしましたが、自分の中で100%じゃなくて。)仕事をしっかりと充実させるためにも、自分の居場所がほしいなと思うようになったんです」。そうと決まれば、あとはとんとん拍子。「大栄ハウジングさん以外は考えられないよね」。あのときの運命が確信に変わった瞬間でした。



悩みながらも選んだのはWAVEの家。もともとガレージがあるモデルですが、そのスペースを奥さまの自宅サロンに。規格住宅ながら、家族の生活スタイルに合わせて提案してくれるのも魅力のひとつです。仕事のオンオフを切り替えられるよう、そして何よりお客さまにゆっくり休んでもらえるよう、サロンはナチュラルな空間に。その名も「neru ouchi」。天井が低いため、おこもり感があって落ち着くと評判も上々です。「眠る部屋に高さは必要ない」ということで、サロンの横に寝室とウォークインクローゼットを配置。ここが1つめのレイヤーとなる0.5階です。



階段を3段のぼれば1階へ。ここには娘さんの部屋、お風呂や洗面スペースなどの水回り、そして玄関があります。10年前のモデルハウスで使われていた輸入クロスを貼ったシューズ棚からお気に入りの1足を選び、もとはB・SHOPの試着室に置かれていたミラーでファッションチェックをしたら行ってきます!「スペースの都合上シューズクロークが作れなかったけど、あえて靴を見せてかっこよく収納できるから結果的に良かった」と奥さま。その隣りにはご主人の趣味である釣り道具が並んでいます。



1.5階では暮らしの中心であるダイニングキッチンがお出迎え。なかでもキッチンからの眺めは圧巻です。流れゆく雲、空に浮かぶ白い月、太陽の光を受けて輝く木々たち。窓の外の自然や景色を家の中に運んでくれます。その恩恵をいかすため窓の高さやレイアウトも計算しながら。さらにN邸は傾斜地に建つため隣地からの視線も気になりません。心地よい風がカーテンを揺らす景色もすてきだけど、あえてカーテンをつけないという選択もこの立地だからこそ。「私より夫の方がキッチンに立つ機会が多いかな。サロンの営業が遅くなったときに夕飯をつくってくれたりとすごく助かってます」。すると息子さんが「チャーハンがおいしいよね」と。その言葉にご主人もうれしそうです。
ソファありきでデザインしたダイニング後ろの階段は、家族みんなのお気に入り。ここに座って本を読んだり、ただおしゃべりをしたり。通常より幅を広げることで、ただの移動手段ではなく、もうひとつの空間に。リビングとゆるやかにつながり、家族4人それぞれの時間軸で過ごすことができる包容力を備えています。1日のうちここで過ごす時間だけは、仕事や親であるとか、いくつかの肩書から少し離れて、ただここに暮らす自分になれるのだそう。9つのスペースを4つのレイヤーでつなぐスキップフロアで構成されたN邸。「子どもが小さかったらこの家は建てられなかったと思います。段差も多いし。でも子どもたちはいつか巣立っていくでしょ。年齢を重ねても遊び心を忘れたくなくて。空き部屋を空き部屋にせず、“家を使いきる”ことを目指しています」。家族の暮らしを受け止める「箱」としての家のデザインもさることながら、特筆すべきは細部まで貫かれた「自分たちらしさ」。その根底にあるのは、自分が本当に好きなものを集めることの大切さ。それがぱっと視界に入れば、ほんの一瞬のことであってもワクワクが生まれます。もやもやがあると居心地の悪さにつながってしまうことを、2人はすでに知っているから。



とはいえ、自分たちだけで空間をまとめあげるのは難しいもの。そこでコーディネータの出番です。この家のテーマは異素材ミックス。たとえばリビングの壁の一部にあしらわれた古材。「野ざらしになっていた足場板を友人からもらって。これを選別して洗って、天日干しして使ってもらっています。いい感じのこなれ感がたまりません」とご主人。それと反するようにキッチンカウンターにはガルバリウム鋼板を採用。あたたかみと無機質。ともすれば相容れなさそうな素材同士をぶつけることからうまれる空気感、抜け、遊び心。さらに照明や明るさのバランスも細かく計算されています。
住みはじめて1年。よく家の手伝いをしてくれる娘さんのために、ワンちゃんを新しい家族として迎え入れることに。喜ばせようとサプライズで連れて帰ってくると「ホントに?うちで飼うの?」とかわいらしい反応。ご主人は「家を建てたら動物を飼いたいと思っていて。これでこの家のラストピースがそろいました」とつられて笑顔に。「1つも後悔はありません」。仲良しのご夫婦は言葉もおそろい。「好き」と身を寄せ合える暮らしを、そこにしかない幸せを、日々実感しているようです。



